白髪になる原因は加齢だけでなく、細胞レベルで何かしらの異常が起きていることが考えられます。
これまでの研究によって白髪の原因は色素幹細胞が損傷していることも大きな原因であると分かっています。
今回は、様々な理由が挙げられる白髪の原因は色素幹細胞の損傷が大きく影響しているというお話です。
白髪の原因のメカニズムのひとつとして知っておくといいでしょう。
白髪の原因は色素幹細胞の損傷
白髪の原因となる色素幹細胞の損傷は、髪の毛の根元の毛包と、毛穴の中間付近にあるバルジという場所で起こります。
このバルジに存在している色素幹細胞は正常時であれば、どんどん細胞分裂を繰り返して、自身と同じ細胞を生み出し続けます。
さらに、白髪に対して黒色の色素となるメラノサイトを作る役割も持っています。
このように色素幹細胞は健康な黒髪を維持するのにとても重要な存在です。
しかし、色素幹細胞が損傷してしまうと、正常に機能しなくなり、結果的に白髪になる可能性があります。
なぜ色素幹細胞は損傷するのか?
色素幹細胞は紫外線などによって損傷します。
色素幹細胞のDNAが損傷してしまうと、細胞分裂することなく、別の特別な機能に特化した細胞として生き続けます。
細胞そのものは生き続けても、本来の黒髪を生成する能力を発揮することができないため、色素幹細胞が損傷することが白髪の原因となるのです。
実はこの色素幹細胞の働きは2009年に東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授研究チームが解明しました。
色素幹細胞は正常な状態であれば細胞分裂(複製を作り続ける)ことが出来るのですが、紫外線やストレスが原因でDNAが損傷を受けると細胞分裂せずに、それぞれの細胞の役割に特化した「分化」をします。
この分化だけでは、メラニン色素を作り出すことが出来ずに、白髪が増えてしまうのです。
色素幹細胞のメカニズム判明で将来は期待できそう
色素幹細胞のメカニズムが解明されて以降、白髪の原因となる細胞の働きを補う技術などの開発が進められています。
しかし、まだまだマウスを使った実験段階のため、人間の白髪に対して特効薬となるような技術の開発は、まだまだ先になりそうです。
この技術の開発が待たれるなかですが、白髪の原因となる色素幹細胞の損傷を防ぐためには、まずは紫外線を避けることが効果的です。
紫外線は色素幹細胞のDNAを損傷させる原因ですので、紫外線を避けることで色素幹細胞の損傷を防ぐことが可能なのです。
さらに、日常的なストレスも色素幹細胞のDNAに影響を与えるとも考えられています。
紫外線を避けるだけでなく、日頃のストレスを体や心に溜めないようにする努力も必要です。
白髪の原因となる色素幹細胞の損傷を防ぐことが大切
- 色素幹細胞の損傷が白髪が増える原因のひとつであることを理解する
- 紫外線を避けて色素幹細胞の損傷を防ぐ
- 日頃のストレスを溜めこないようにする