毛母細胞から生まれたばかりの髪の毛はもともと白いのですが、伸びるにしたがって色付けが行われます。
髪の毛の色付けのもととなるのがメラノサイトで作られるメラニンという色素です。
今回はメラニンと白髪の関係についてお話しします。
目次
メラニンはどのようにして作られるか
髪の毛の色を付けるメラニンは、毛母細胞の隙間にあるメラトニンという細胞で作られます。
メラノサイトの中で作られたチロシナーゼという酵素がチロシンというアミノ酸と結びつくことによってメラニンが作られます。
メラノサイトで作られたメラニンを毛母細胞が取り込むことで色のついた髪の毛が毛穴から出ていくのです。
メラニンには髪を黒くするユーメラニンと髪の毛を黄色くするフェオメラニンがあり、その割合によって髪の毛の色が変わってきます。
メラノサイトと毛母細胞が正常に働く期間は成長期と呼ばれ、2~7年間続きます。
そのあと2~3週間ほどの退行期を経て髪の毛が抜け落ちる休止期を迎えます。
メラニンが作られなくなる要因
白髪はメラノサイトでメラニンが作られなくなることで起こりますが、その要因としては次の2つが考えられます。
1つめはメラニンを作るメラノサイトの機能が低下することです。
2つめはメラニンの原料であるチロシンが不足することです。
逆に言えば、白髪対策のためには、メラノサイトの機能を活発にするか、チロシンをより多く摂取すればよいということになります。
メラノサイトを活性化するために
活性化のための栄養素を摂る
メラノサイトを活性化する栄養素としてビタミンB12、葉酸、銅などがあります。
ビタミンB12を多く含む貝類、葉酸が豊富なホウレンソウやカリフラワーなどの野菜類、銅を多く含むレバーや納豆などを意識的に食べるようにしましょう。
不活性化の要因を除く
メラトニンの活性化を阻害する要因としては、ストレスや睡眠不足、喫煙やアルコールの過剰摂取といった生活習慣があります。
これらの生活習慣を改めることで、メラトニンの働きが活発にすることができます。
また、多くのヘアカラーやトリートメントに含まれる過酸化水素はメラノサイトにダメージを与えるので、なるべく使わないようにしましょう。
チロシンを豊富に摂取するために
チロシンを多く含む食べ物として大豆とチーズがあります。
どちらも100グラム当たり1000ミリグラム以上のチロシンが含まれています。
白髪ケアのために1日に必要なチロシンは500~2000ミリグラムですから豆腐なら半丁程度の量が必要になります。
髪の毛の成長を促す成長ホルモンは夜眠っている間に分泌されます。
そのため夕食時にチロシンを豊富に含む食品を食べるようにするとより効果的です。
チロシンの吸収を高める効果がある栄養素として、ビタミンB6と葉酸があります。
ビタミンB6を含むニンニクや葉酸を含む野菜類なども併せて食べるようにしましょう。
白髪対策の第1歩はメラニン不足の原因を知ること
白髪の対策と予防のためには、まずメラニンが不足している原因を知り、それを解消することです。
いまの生活習慣や食生活を見直すことで、白髪になりにくい身体づくりを心がけてください。