体が冷えると体調のバランスが乱れ、便秘や不眠、生理不順などを引き起こします。
冷えがもたらす体の変化として、意外に知られていないのが白髪です。
今回は冷えと白髪の関係についてお話しします。
目次
冷えとはなにか
人の身体は、気温が変化すると血流や汗の量を変化させることで体温を一定に保つ働きがあります。
例えば皮膚が寒さを感じると、脳の視床下部にその情報が伝えられ、そこから体温が下がらないように指令が出されます。
これによって血管が収縮し、血液があまり流れないようにすることで、体表の温度が下がり、体内の熱が外へ逃げにくくなります。
また寒いと体が震えるのは、筋肉を震わせることで体温を上げようとするためです。
逆に皮膚が暑いと感じると、血流が増えて体表の温度が上がり、熱が体外へ放出されやすくなります。
こうした外気温の変化とは関係なく手足の先が温まりにくくなり、慢性的に身体が冷えている状態を冷えと呼びます。
冷えが白髪の原因となる理由
身体が冷えている状態は、血液の流れが悪いという状態でもあります。
血行が悪くなると頭皮に十分な栄養がいきわたらなくなり、メラニン色素を作る機能が低下します。
またメラニン色素を作るときに欠かせないチロシナーゼは、体温が低いと酵素活性が下がってしまいます。
これらの理由から体が冷えると白髪になりやすくなるのです。
冷えが起こる原因
もともと女性は男性より筋肉が少なく、筋肉の運動による発熱が少ないので、体が冷えやすいといえますが、生活習慣が冷えの原因となることも多いです。
冷えが起こる原因としては次のようなことが考えられます。
食生活の乱れ
冷たいものや甘いもの、夏の野菜や果物は身体を冷やす性質があり、これらの食材を日常的にたくさん食べていると、冷えやすい体質になってしまいます。
過度なダイエットによってビタミンやミネラルが不足することによっても冷えは起こります。
さらに食生活の乱れによって便秘になると、基礎代謝が低くなり、冷えの原因となります。
日常的なエアコンの使用
常にエアコンが効いている環境で長く過ごしていると、室外との温度差が大きくなった時に、自律神経の機能が乱れてしまいます。
このため体温調整がうまくできなくなり、体が冷えます。
血流を悪くする服装
身体を締め付けるような下着や靴下をはいたり、寒い季節でも薄着をしたりすると、血流が悪くなり、体が冷えます。
ストレス
過度なストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れてうまく体温調節機能が働かなくなり、身体が冷えやすくなります。
喫煙
タバコを吸うと急激に血管が収縮し、血行が悪くなるとともに基礎代謝も下がるため、体が冷えやすくなります。
冷えの原因を改善すれば白髪は黒くなる
冷えによってできた白髪は、メラニン色素を作るメラノサイトの機能が低下することで起こるもので、メラノサイトの機能そのものが失われているわけではありません。
冷えの原因を改善して体温を上げ、血流を改善すれば、メラノサイトは再びメラニン色素を作り始めるので、白髪が黒くなる可能性が高いといえます。
冷えの原因となる生活習慣を見直すことで、髪を若々しく保つことができるのです。