白髪の最も一般的な原因は加齢です。
今回は白髪と年齢の関係について考えてみます。
白髪が生える平均年齢
白髪が生え始める年齢には個人差がありますが、統計的に平均値を出すと、男性が34歳、女性が35歳となっています。
この平均年齢が年々下がってきているという研究もあります。
これは社会全体にストレス負荷が高まってきていることと関係があるのでしょう。
また昔と違って世の中には甘いものやスナック菓子など栄養の偏りを生む食べ物があふれています。
さらに日常化したパソコンやスマホとの接触も白髪を早める原因になっているといえます。
なぜ歳をとると白髪になるのか
成長過程の人間の身体では成長ホルモンがさかんに分泌されて、成長や代謝が活発におこなわれます。
20代を過ぎると成長ホルモンの分泌は次第に減っていき、老化が始まります。
髪の毛が生える時に色素を合成・供給するメラノサイトという細胞は老化とともに減少していきます。
メラノサイトは自己増殖する力がありません。
減少したメラノサイトを補うのが色素幹細胞です。
色素幹細胞は髪の毛の根元にある毛包と毛穴の中間にあるバルジという場所に存在する細胞です。
色素幹細胞はアメーバのように分裂して自己増殖しますが、毛包のメラノサイトが不足するとメラノサイトに分化して供給してくれます。
年齢が進むにつれて色素幹細胞がメラノサイトを作る機能は低下していきます。
最近の研究では色素幹細胞の機能低下は細胞と基底膜を結び付ける17型コラーゲンが不足することが原因だとわかりました。
いまのところ17型コラーゲンは経口摂取や外部添付等によって補給することができません。
もしその方法が見つかれば、人類史上初めての白髪の治療薬が生まれる可能性があります。
白髪が生える予兆
同じ場所がかゆくなる
その理由ははっきりしませんが、白髪が生える前にはその場所がかゆくなるといわれています。
一説には白髪が黒い髪に比べるとより硬くて太い傾向にあるため、その刺激でかゆみを覚えるのではないかといわれています。
また、頭皮環境が変わって頭皮が熱を持つためかゆくなるという説もあります。
ただいずれも医学的な根拠があるわけではありません。
鼻毛が白くなる
鼻毛は鼻呼吸によってほこりや雑菌などが入り込むのを防ぐ役割をしています。
このため外部からの刺激を髪の毛よりも受けやすく、メラノサイトの衰えが早いのではないかといわれています。
頭皮が硬くなる
頭皮にはほとんど筋肉がないためいちばん運動不足になりやすい場所です。
また体のいちばん上にあるため、重力の影響で血行が悪くなり硬くなりやすいのです。
頭皮の血流が悪くなると、メラノサイトに十分な栄養がいきわたらず白髪になりやすくなります。
頭皮の硬化は白髪への黄色信号だといえるでしょう。
年齢以外の白髪の原因にも注意を
加齢による白髪は、誰もが避けることができない現象だといえます。
しかし栄養やストレスなどのほかの原因を出来るだけ改善することによって、白髪の発生を遅くすることは可能です。
その意味で若いうちからバランスの取れた食事と規則正しい生活リズムを心がけるようにしたいものです。